2017年1月22日

PTバーナムゆかりの米サーカス団が廃業を発表

アメリカの著名なサーカス団「リングリング・ブラザーズ・アンド・バーナム・アンド・ベイリー・サーカス(Ringling Bros. and Barnum & Bailey Circus) が、2017年5月の公演を最後に、廃業すると発表しました。

親会社のフェルド・エンターテイメントによると、「経費の増大やチケット販売の落ち込みが響いて経営状態が悪化し、ゾウの曲芸を中止したことが追い打ちをかけた」(CNN)とのことで、5月までに米東部を中心に行なう公演を最後にその歴史にマクを閉じることになりました。

「ゾウのダンスは同サーカス団の長年の目玉だったが、動物保護団体からの批判が強まったことを受けて中止に追い込まれていた」(CNN)とのことです。日本でも、水族館のイルカショーが中止になるなど、動物によるエンタテインメントは厳しい状況です。

サーカス団の名称に「バーナム」とありますが、これは19世紀に活躍した興行師で、このサーカス団の元となる団体の創設者フィニアス・T・バーナム(Phineas Taylor Barnum)の名前です。

バーナムは、専用列車での巡業形式を初めて導入したといわれ、また興行先の地元紙に予め開催告知情報を送り、興行の前宣伝として記事が掲載されるよう、広報エージェントを活用していました。

彼の依頼を受けた広報エージェントたちは、記者に無料招待券を渡して記事掲載を働きかけました。掲載された記事は、「象を緑色に塗ってナウマン像の生き残りがやってくる」といった、興味本位な宣伝記事でした。

19世紀後半になると、全米各地に多くの新聞社が設立され、新聞はパブリックに情報を伝える重要なマス・メディアとなっていきます。バーナムは新聞によるパブリシティの効果を理解し、サーカス巡業の行く先々に先手を打つ、優れた広報・宣伝者でもありました。

参考:
CNN.co.jp「米有名サーカス団、経営難で廃業へ ゾウの曲芸中止響く
アイビー・リー 世界初の広報・PR業務



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